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僕の彼女は……
「颯くん、この後暇じゃない?」
「みんなで遊びに行こうとしてるんだけど颯くんもおいでよ」
今日は3限終わりのせいか、みんなどこか浮き足立っている。
頭のてっぺんから足の先まで綺麗に手入れされた女性達に囲まれるのは嫌なわけではないが……、
僕には彼女がいる。
こんなところを見られたらヤキモチ焼きの彼女はきっと嫉妬して……あ、今その彼女と目が合った。綺麗な立ち居振る舞いでこちらに近付いてくる。
さて、今日は自分との約束があるでしょって可愛く睨まれるのだろうか。ほんと乙羽ってば可愛いんだから……
「あれ、颯今日は厳しい?じゃあ行く予定だったカフェにはまた今度行こうね」
「えっ」
ばいばい、と言って颯爽と去っていく彼女。
僕の背中にひんやりとした何かが伝った。
さっきまで頬を赤らめていた周りの女の子達が、心なしか同情するような目を向けてくるのが胸にしみる。
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