クール・ビューティと熱血漢

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クール・ビューティと熱血漢

わたしは昔からよく「クール・ビューティ」と言われていた。ぶっちゃけ、自分でも顔立ちは整っている方だと思う。スタイルもそんなに悪くはない……はず。 だけど実のところ、わたしは未だに彼氏いない歴=年齢だ。男の人から声をかけられたこともない。どうも、美人過ぎるとかえって男性は腰が引けるのだそうだ。だったら自分から声をかければ、とも思うのだが…… わたしは女子高出身で、全く男性に対して免疫がない。それにわたしは笑うのが下手なので滅多に人前では笑わない。しかも口下手で人見知りも激しい。それがさらに「冷たい」「お高く止まっている」という印象につながっているようだ。 だけどわたしはそんな評判をあまり気にしていなかった。それよりよっぽど大事なものを見つけてしまったのだ。 大学の情報工学科に入学したわたしは、1年生の必修でプログラミングを初めて学んだ。自分が作ったものがコンピュータの中で動く。それだけのことなのに、なぜだかとても嬉しかった。 それ以来寝ても覚めてもプログラミングをしているような状況だった。授業の範囲に飽き足らず、わたしは独学で技術を磨き、とうとう一つのシステムを作り上げた。
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