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この虚ろな世界に寒気がした時だった。
霧の向こうから何やら話し声が聞こえる。……それは、最近聞かないことはなかった腹立たしい声で。
「あーあ!お前のせいで衣織ちゃん連れてけなかったじゃん!」
「はん、てめえの思う通りにさせてたまるかよ」
「えっと、あの……?」
なんだか状況がいまいち整理できないんですけど。
なんでコイツらがいるんだ?私はもう死んだはずだよね?
え、何この悪夢まだ続くの?
「衣織ちゃん!もうココにいたんだね!なんだ、それならもっと早く来ればよかった」
「お、俺は別にお前に会いたいとか思ってないけどな」
……今は悪魔の久しぶりのツンデレに萌えている場合ではない。それよりも、
「ここはどこ……?」
何やら知っているだろうコイツらに聞くのが一番いいだろう。
すると天使と悪魔から聞かされた事実は、俄かには信じられないものだった。
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