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天使と悪魔の災害
その日から、なんだかんだ天使と悪魔との生活は続いた。
普通に考えたら、自分の部屋に自分以外のナニカがいるなんて精神的におかしくなってると思う。でも幽霊とは違ってそこに実体があるから怖くはない。
怖いのは隙あらば私を天国へ連れていこうとする天使くらいだ。
本当に、いつになったら諦めるのだろうか。
毎回悪魔が助けてくれているからいいものの、これじゃあ心休まる時がない。
私の部屋に居座るのは百歩譲っていいとして、もう少し控えめに過ごして欲しいんだけど。
なんて、この自由な奴らに何を言っても無駄だろうけど。
そんなことを考えているある日のことだった。
「衣織ちゃん!?」
いつものように朝起きて、いつものように支度を済ませ、お約束のように一緒に登校しようとする天使と悪魔と家を出ようとした時。
急に足元がふらつき、気付いたら地面へとダイブしていた。しかし、顔に衝撃はやってこず代わりに逞しい腕の感触が。
「っぶねえな。どうしたんだよ?」
僅かに目を見開いてる悪魔の顔が上に見える。慌てて離れようとすれば今度は目眩がし、気付いた時には意識を失っていた。
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