飴配り女

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飴配り女

「飴配り女って知ってる?」  大学の食堂で昼食を食べている最中にナオキが嬉しそうに聞いてきた。 「何それ?妖怪みたいやな」  ダイスケは笑いながら返した。 「お前知らんとかどんだけ情報に疎いねん。最近めっちゃ有名やで」 「いやそんな情報知らんくても生きていけるからええねん」 「いや、それがな、生きていけへんねん」 「生きていけるわ!」 「そういうことじゃなくてな、その飴配り女から飴もらった人は絶対事故に合うねんて」 「どういうこと?夏やからってしょうもない都市伝説言うなよ」 「これガチやねん。結構最近話題になってる」  ナオキの情報によると、この街中で飴を配っている女性がいるらしい。その女性の特徴は、長髪でいつも赤色の服を着ているとしか分かっていない。どこでどのように貰うのかという情報は曖昧で、ナンパのように声を掛けられることもあれば、テッシュ配りのように不特定多数に配っているという情報もある。
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