飴配り女

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 ダイスケは家から飛び出し、もう一度京都駅に急いだ。  このままではナオキが危ない。急いで駅まで走り電車に乗り込む。財布にお金が入ってなかったのでタクシーには乗れなかった。  ハナの目的はなんなのだろう。僕を探すことだけなのだろうか。  ダイスケは、電車が遅いと思ったのは初めてだった。  着いた時にはもう遅かった。救急車が大きな音を鳴らし、京都駅は騒然としていた。  多くの人が一つの円を作り、一つのものを取り囲んでいた。ダイスケはその円をかき分け、中に入っていった。そこには、ナオキの倒れた姿があった。  ダイスケは辺りを見渡した。赤いワンピースの女性はいない。  円から外に出て、ハナの居場所を探す。この状況からそう遠くには行ってないはずだ。  駅から少し離れたところに、赤い姿の女性を見つけた。
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