飴配り女

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「なーんてね」  ハナが言った瞬間、ダイスケの腹部に刃物が突き刺さった。 「どういうことや!」 「どういうこともないじゃん。あなたが私の人生めちゃくちゃにしたんだから」 「は?」 「ほんと鈍感ね。あなたと連絡が取れなくなったあと、私は、カズコちゃんにダイスケくんの連絡先知らないかって聞いたんだけど教えてくれなかったの。その代わりに色々教えてくれた。どうせ私は、ただの飾りだったんでしょ?違うの」 「違う!それは誤解やって」 「ただの飾りならまだしも、私の悪口ばっかり色んな人に言いふらしてたらしいね。なんも喋らんのに可愛くもないとか、土偶みたいとか、ファッションダサいだの、インキャだの。私に直接言いもしないで、周りにばっかり悪口言って。ダサいとは思わなかったの?惨めだと思わなかった?私は何回も自分を責めたよ。受験で大変そうだったし、受験終わったらやっとちゃんと話せると思ったのに、連絡もしてくれない。呆れを通り越して怒りになった。そこから、有る事無い事いろんな噂が広まって私、地元にいれなくなった。あなたのせいで全て失った」
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