飴配り女

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「情報仕入れてきたで」  ナオキが来たのは、講義の始まる五分前だった。講義室はクーラーが24度くらいに設定されているのかひんやりしている。 ダイスケは授業が始まる十五分前には席につき定位置を確保していた。そうしないと教卓に近いところに座らされてしまうからだ。そんなダイスケへの感謝もなしに、ナオキは嬉しそうにダイスケの隣に座る。 「どんな情報なん?一応聞くわ」 「どうしようかな〜。行くって約束してくれたら言うわ」 「え、聞かんかったら行かんでええって言うんやったら聞かん」 「何や、しょーもない男やで。一緒に来て欲しいし言います」 「ゆうんかい」 「有力な情報やで」 「はよ教えてくれ。じらしすぎや」 「分かった。飴配り女は・・・・この大学の子ではないらしい」 「いや、しょぼ!そんな情報でどうやって探すねん」 「うそうそ。赤い服の長髪ってとこまでゆったやんな?」 「うん。それは聞いた」 「赤い服っていうのはワンピースらしくて、花柄なんやって。それに加えて、髪の毛は茶色がかった黒髪なんやて。あと、京都駅の中央口付近によくおるんやて」 「結構有力な情報やな」 「それでな、顔結構可愛くて、年齢も俺らとおんなじぐらいやて」 「何なんお前。その子とワンチャン狙っとんちゃうん?」 「ばれた?」 「バレバレ。でも、事故あったらやばいぞ」 「大丈夫やって。事故あった人はたまたまやって」 「そうかなあ」
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