美麗双子と共同生活

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私は二人みたいな丁寧な顔の造りはしていない。 けれど本当、顔の造り以外はびっくりするほど似ていたのだ。 双子特有のシンパシーがあるのはよく聞く話だ。 だけどまさか私まで共有するとは思わなかった。 お腹が空くタイミングや眠くなる時間が同じだったり、1日に3回はハモったりなど……いや、本当三つ子かって突っ込みたくなる。 まだ1週間しか過ごしていないのにそんな気がしない。 もうずっと前から一緒に暮らしていたみたいだ。 歯ブラシはみんな同じ色が好きで被っちゃうからわざわざ名前書いたし、洗濯物を干している時に私が持ってる洋服と全く同じ柄のサイズ違いを発見したこともある。 うわーこんなこともあるんだなーなんてその時は感じてたな。 それこそ運命だと思ったかもしれない。 勝手に本当の家族になれた気でいたのは事実だ。 異変を感じ始めたのはさらに1ヶ月経ったくらい。 異変といっても些細なものだ。 私は根っからの貧乏性でずっと同じ物を使い続けるタイプだ。 しかし最近やけに私物がまるで新品のように感じる。 例えば、シャーペン。 使い過ぎたせいでシャー芯の出が若干悪かったのだが、ある日を境にとても出やすくなった。 その時は異変どころか『ラッキー』と思っただけで終わった。
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