美麗双子と共同生活

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美麗双子と共同生活

居候生活がスタートしてから、早1週間が経った。 現在高2の2学期半ば。ちなみに双子は1個下なので高1だ。 新しい学校の制服も届き、クラスにも馴染めてきた……と思う。 転入初日はそれはもう大変だった。 純と粋は相当な人気を誇るみたいで、男女問わず質問攻めだった。 普段の二人の様子や好きな食べ物、休日の過ごし方など――明らか本人に聞いた方が早い質問をエンドレス。 どうやら二人は意外とミステリアスらしい。いつもあんなに人懐っこい笑みを浮かべているのに。 もしかしたら、それは私のことを姉のように慕ってくれているからで、学校では違う表情を見せているのかもしれない。 といっても私は本当の姉ではないし、会う頻度も年1、2とゴミカスレベルだったので皆の質問には答えられなかったが。 まだ近所のおばさんの方が彼等に詳しいだろう。それこそ私の方が皆に彼等のことを聞きたいくらいだ。 ……と、その時は思ったのだが、1週間経った今では驚くほど彼等のプロフィールが埋まっていた。 というのも、どうやら私達は滅茶苦茶気が合うらしい。 「趣味とかある?」 「んー映画鑑賞とか?」 「特に洋画が好きかな」 「えっ、私も洋画好き」 「そうなんだ!じゃあ今度一緒に観に行こうね」 「羅々ちゃん、晩御飯親子丼でいい?」 「えっ、私作るよ!」 「いいのいいの。おもてなしさせてよ」 「そうそう。腕には自信あるから。それより親子丼嫌いじゃなかった?」 「う、うん。大好物だけど……」 「良かった。僕達も一番好きなんだ」 「はい、これ羅々ちゃんの鍵ね」 「わ、ありがとう。……あれ?このキーホルダー、」 「ああそれ、羅々ちゃんの趣味わからなかったからとりあえず僕達が好きなキャラクターの買っちゃった」 「今度別の買いに行こうね」 「あっ、いや、大好きなキャラだから超嬉しいけど……」 てな感じに好きな物がだだ被り。 寧ろ私達本当は三つ子なんじゃ?ってくらい。 ……なんてね。さすがにそれは錯覚だ。
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