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そう言いながら男は不気味な笑みを浮かべて百合奈へと近づく。
慌てて彼女は逃げようとするも、ガシッとその腕を握られてしまう。恐怖のせいで、声が出ない。
「いやーそろそろ人間を相手にするのも面白いかと思ってたところなんだよねー」
薄気味悪い笑みを浮かべたまま、男は百合奈を草むらの中へと押し倒すと、彼女の口元を左手で覆う。
そして、右手に持ったナイフを百合奈の左胸へとゆっくりと向けた。
アイツが言ってたこと……ほんとだったんだ……
恐怖のあまり滲んでいく視界に、百合奈は心の中でツバサの話しを思い出していた。
あんな胡散臭いヤツの話し、デタラメだと思っていたのに……本当に私、ここで死んじゃうの?
目の前で大きく振りかぶられた男の右手を見て、百合奈は思わずギュッと目を瞑った。
お願い……誰か助けて!
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