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そう言った直後、ツバサは静かに目を閉じる。
そして、背中に意識を集中させた。すると彼の周囲に砂塵のような黒い粒子が現れ、それは徐々にあるものを形作っていく。
天使の象徴……ではなく、まるで死を誘うかのような漆黒の翼。
「俺の翼は特別使用でね。ゼツ婆だって追いつけねーぞ」
誰に言うわけでもなく一人ぼそりと呟くと、ツバサは闇色に染まった羽を広げた。
直後、向かい風が自分に届くよりも先に、突風を切り裂き飛び立つ。
その姿はまるで、命を狩りにいく悪魔のように見えた。
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