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「いやー僕の方こそごめんね。関係ないのに一緒に探してもらって……あとは一人で探すから大丈夫だよ」
そう言うと男性はぽりぽりと頭をかきながら、公園の中へと消えていった。
そんな彼の後ろ姿を見ていた女の子は、くるりと振り返るとツバサをギュッと睨む。
「せっかくあの人の飼い猫捕まえれそうだったのに、あんたのせいで逃しちゃったじゃない! 最近猫が殺される事件が多くて危ないんだからね!」
「は? そんなもん俺に関係ないだろ。だいたいなんだよお前、さっきから生意気な……」
「私の名前は天城百合奈。ちゃんと名前があるから『お前』じゃないですー」
「あまきって……まさか」
べーっと舌を突き出してくる相手に、ツバサは一瞬目を丸くした。そしてすぐに、今日一番のため息を漏らす。
ゼツ婆に無理言って受け取った仕事だが……一瞬、コイツ死ねばいいのにって本気で思ってしまった。
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