冷たい手

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王宮の広間入り口に到着すると、王族や神官の警護を任されている第一隊が外で待機している。 ロイド隊長が馬から降り、私たちもそれに習う。 恥ずかしさで顔を真っ赤にした私とクリスを見て、隊長が不思議そうな顔をしていた。 普通に歩けるまで回復したクリスが広間の入り口に向かう。 「この扉は開けないようにと言われています」 「僕も神官ですよ」 クリスの言葉に隊員はどき、彼が扉を開ける。 広間内には既に多くの人が集められているのに、集団による熱はないどころか、皆凍えている。 高座にいる神官が開かれた扉を見て顔をしかめたのが見えた。 「今、結界を固めているところだ。卑しい盗っ人は引っ込んでいろ」 「卑しいのはお前たちの方だろ!役目も果たさず、他人に押し付けて!僕を盗っ人と言うならば、お前らのその立場、盗んでやる!」 優しい人ほどキレると怖いと言うが、クリスは正にそれだと思う。 口調が変わっているし、何を仕出かすかわからない恐怖がある。 「第一隊はこの状況をご存知で?」 「国の為には犠牲も必要だと伺っている」 ロイド隊長が第一隊隊長と向かい合う。 私とギル先輩はクリスの側で彼を守るように立った。
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