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――――が、次の瞬間凜久は何ともないようにへらりと笑って見せた。
「なんだぁ、それか。お姉ちゃんそんなの聞いてたの?」
「……」
なんというか、絶句。まさしくこれだ。
我が弟ながら、何を考えているかわからない。
「うーんできれば聞いて欲しくなかったけど。ほら、何だろうヤキモチっていうのかな?」
「……は?」
「だーかーらー、ヤキモチ!あいつら僕に姉がいるってわかってからやたらと見せろって煩くてさぁ。今までずっと拒否してきたけど、さすがに今日は逃げきれなくて……」
「……」
「けど紹介する気はなかったのに、お姉ちゃん勝手に来ちゃうし。あ、アイスはありがとね?とっても美味しかったよ」
えへへ、と無邪気な笑みを向ける凜久。
私はというと、正直戸惑ってる。
言い訳にも聞こえるけど、……こっちが真の本音って気もする。
うーんなんかあまりにもあっさりしすぎて……逆にもやもや、みたいな?
けれど凜久の可愛く笑う姿に毒気が抜かれたのか、怒りとか裏切られたショックとかはとうに形を消していた。
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