プロローグ

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そう思ってからの私は上手く立ち回った。 姉と弟という立場をわからせるため、遊びたがりの弟に『お姉ちゃんって呼ばないと遊んであげない』と言いそう呼ばせて。 喧嘩もできるだけ減らし、優しいお姉ちゃんを精一杯演じた。 弟にとって、姉という存在が一番になるように。 威張らずに、相手の意見は尊重して。でも甘やかしすぎないようにダメな時はしっかりと告げる。 そうすると、両親は『さすがお姉ちゃん』と褒め、近所を歩くと『いいお姉ちゃんを持って良かったね』と声をかけられた。 それにしっかり私の右手を握った弟は『うん!自慢のお姉ちゃん!』と元気よく答える。 それを聞く度、私の心はとても満たされていった。 事実、私は誰から見ても『良いお姉ちゃん』だった。 ―――そんな自分に、酔っていた。
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