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我ながら身勝手な姉だなぁ。弟のことシスコンにしておいて、都合いいときだけ利用して、あとは放置という。
まあそれでも凜久にとっては『良き姉』なんだろうけど。
チラリとソファを見る。未だ微動だにしない我が弟。
うーん、どうしよう。
多分喋りかけても反応しなさそうだし、夕飯はもう先食べちゃったし。部屋戻ってていいかな?
よし、そうしよう。
それから一応「ご飯は温めて食べてね」と声をかけ、一人で階段を登って行った。
自室に入りケータイを開けば、今日交換したばかりのIDからラインが。
あ、そうだった連絡先交換して、軽い自己紹介して別れたんだ。
《改めまして、志摩渉です。今日は本当にありがとう。これからどうぞよろしくお願いします。》
わお、すごい丁寧に。私なんて今までラインの存在忘れてたよ。
名前は志摩渉さん。大学二年生なんだって。
背が高くて髪が茶色くて、いかにも爽やかなイケメンさんって感じ。
凜久とはまた違った爽やかさだ。凜久はどちらかというと綺麗な顔立ちだから和服が似合いそう。
志摩さんはスポーツで汗流してるイメージ。あ、高校は野球やってたって言ってたかな。
いつも隣にいる男は誰なのか聞かれ、弟って答えたら安心したように笑ってた。
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