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でも、一番驚いたのは……
「あれ、凜久くんと一緒じゃないの?」
「……朝起きたらもういなかったの」
「ええ!あのお姉ちゃん大好きっ子が!?」
これにはさすがに声出ちゃったよね。
この姉弟が毎日登下校を共にすることはかなり有名だ。
お互いの校舎を行き来するのもしょっちゅうだし。そう考えたら絃に好意を抱いてる男達が寄り付けないのもしょうがないよね。
あんな超人的な弟とか最強のガードマンだもん。
なのにそのナイト様がお姫様のそばにいないなんて。前代未聞だ。
「反抗期かしら」
と、一年前にも聞いたことのあるセリフを吐いた絃。あの時は即答で『それはない』と言えたけど……。
「えー……あの弟くんが……?」
今回ばかりは語尾が小さくなってしまった。
反抗期、ねぇ。頭の中全部絃のことしか考えてないんじゃ、ってくらい誰から見てもわかるシスコン凜久くんに限ってないとは思うけど。
もしそうだとしたら、二人の間によっぽどの何かがあったんだろう。
「私が彼氏できたって言ったからかな」
「……え!?彼氏!?理由それしかないよ!!……てかもっと早く言ってよ!!!」
そんな軽い感じで報告するもんなのかね!?
なんなんだこの子は。ここへきて初めて知る天然っぷりだよ。
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