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まあそうだよねー。基本冷静な絃が動揺することってそれくらいしかない。
「初めて朝置いてかれた……」
「……やっぱり絃もブラコンなんだね」
一見凜久くんの方がシスコン度が遥かに高いと思うけど(まあ実際そうなんだが)、絃も大概だよね。
その菩薩みたいな卓越した精神でわかりにくいけど。
普通弟に朝先行かれたくらいでこんな落ち込むかな?
……まあ、普段がああだから物凄いギャップなんだろう。
ていうか、お姉ちゃんに彼氏できた途端その行動って。
「よっぽど絃のこと好きなんだねぇ」
「……」
私のその言葉に心なしか絃の表情が柔らかくなる。あ、可愛い。
私からしたらそれヤキモチにしか見えないよね。絃もさすがにそこはわかってると思うけど。
「でも、先行くことは百歩譲ったとして、何も声かけずに行ったんだよ?おかげで寝坊するし……」
「……うん?」
あれ?落ち込んでたのってそれが理由?
いやいやいや、弟くんに先行かれちゃったことが悲しいんだよね?
「起こしてくれないなんて、人としてどうかと思う」
「………」
ハイ、なるほど。絃さんの気持ちはよーくわかりました。
……なんか弟くんが不憫に思えてきたよ。しかもかなり理不尽な言われようだし。
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