逢坂姉弟 side香恋

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すると絃は少し考える素振りを見せた。 「凜久次第かな……。私と彼氏――あ、志摩渉さんっていうんだけど、最寄り駅が一緒でそこで待ち合わせしてるから」 途中まで一緒に帰ることはできる、って言う絃だけど。 それって鉢合わせするよね?かなり気まずくない? でも弟くんならあえて牽制しそうな気もする……。 「まあ面倒くさいから、ほとぼり冷めるまではそっとしておくよ」 と、絃はどこまでも絃だった。 その後、今度紹介してね!と私が言ったのを解散の合図にそれぞれの席に座った。 今日はちゃんとお弁当箱は持ち主の鞄に入ってたらしく(あ、入れたのは弟くんかな?)休み時間に弟くんの顔を見ることはないまま時間だけ過ぎていった。 そして放課後、結局絃は一人で帰ることにしたようで。待ち合わせの時間もあるとかでさっさと行ってしまった。 私も帰ろうかと鞄を持ち稔のところまで歩いていく、と。教室のドア付近でよく見知った顔が中を覗いてるのが視界に入った。 それは丁度朝話題の中心だった人物で。 「凜久くん?どうかした?」
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