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プロローグ
私、絃と弟の凜久は二歳違いの『血の繋がった』姉弟だ。
――――二歳違いって、かなり微妙。
確かに年齢の差はあるけど、二年ってそこまで大きくない。
実際、物心ついた頃にはもう弟が隣にいた。
――――お姉ちゃんって、かなり不毛。
喧嘩したら怒られるのは絶対こっちだし、両親は末っ子の方が可愛がるから何かあるとすぐに『お姉ちゃんでしょ』って言われる。
それがすごく嫌だった。
弟が生まれる前はそりゃあ可愛がられたんだろうけど、私にもうその記憶はない。
このままじゃ私のことを誰も構ってくれなくなってしまう。
たった二年早く生まれただけで、全部弟に一番を奪われてしまう。
――――それなら、弟の一番になってやろうと思った。
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