学び舎

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学び舎

家を出てから10日が経った。寮の人達にはまだ慣れていないが、エレンは同じ部屋の人とは話すようになった。その同じ部屋の人は、アラン・イーグスという名だ。同い年で、同じテキサス州出身だったために、話が合う。 「なぁ、エレン。お前成績いいけど、どうやったらそんな良くなるんだよ?」 「まぁ、勉強と練習、気合いかな?」 エレンは成績では3位で、合格間違いなしだとも言われている。顔つきもだいぶ変わってきた。ただ、仲間が欲しいというのがエレンの本音だ。 「候補生諸君!第1訓練室に集合せよ!」 「はい!!」 そうアナウンスが来たので、エレンとアランはさっと第1訓練室まで行った。第1訓練室とは、主に一対一の取っ組み合いの練習する場所であり、たまにこうやって候補生を集める時にも使われる。他にも、第2訓練室、第3訓練室というのもある。第2は主に射撃。第3は主に戦闘再現をするための施設だ。 段々人も集まってきており、訓練兵団長セウス・ドットが、真ん中に立っていた。 人数確認が終わり、話が始まるそうだ。 「皆の者!今年は!戦場に立ってもらうぞ!」 その言葉を聞いた候補生達は、一気にざわつき始めた。戦場に立つ。それはつまり、戦争に出るということなのか? 「静まれ!実は我々TCUに、犯行声明文が届いた!内容は、ワシントンD.C.をSCOPが襲うという!それは1ヶ月後だ!我々TCUがそれを阻止する!そして!その戦場に立ち!その戦争で生き残り!活躍したものを!TCU訓練兵では無く!正式にTCUとする!だからといって!逃げた者は帰ってもらう!そしてこれからは!筆記試験を捨てて実践練習あるのみ!皆の者!解散!」 恐らく、人の心には迷いが出ただろう。これは、死ぬのではないか?まだ死にたくない。生きたいと。 その日の夜ご飯の時間。いつも賑やかな食堂が、シーンとしていた。むしろ、誰も食べ物をよそっていない。ずっと下を向いてる。だが、エレンは食べ物をよそった。一人で食べてた。いつも通りに。 「おい、お前、なんで普通に食べれるんだよ、死ぬかもしれないんだぞ?」 エレンは呆れたような顔をして、そいつを睨んだ。 「お前はなんで兵士になったんだよ?兵士をやるってことは、いつも死との隣り合わせなんだぞ?今更死にたくないだって?ふざけるな。死ぬ勇気もないやつが戦場に来るんじゃねーよ。約立たずが。」 エレンは、皿にフォークを強くつついた。その近くには、訓練兵団長セウスが居た。こちらに歩いてきた。 「確かに死にたくないだろう?むしろ、死にたいって言う奴がいるのかと思うくらいだ。だけどな、何事を死ぬ気でやらないと出来ないのだ。知能、体力、性格。みんな違う。でも、その限界を出すのが本気というものであろう?お主は、本気になったことがあるか?」 「それは、、、」 男は黙った。言い返せなかった。兵隊となった以上死ぬことは覚悟しなければならない。 固まったその空間を、一気に壊すような出来事が起こる。 「大変です!テキサス州にまたSCOPが攻めてきました!急ぎ準備を!」 また周囲がざわつき始めた。候補生達は、その場を去ろうとした。 「皆の者!今回は戦わなくてもいい!そして!武器を準備してこい!誰か車を出せ!」 「了解!」 候補生達は急いで準備に取り掛かる。エレンは動かなかった。アランもだ。2人はセウスの所まで歩いて行った。 「僕達を、戦場に連れていってください!避難の手伝いなどなんでもやります!だから、お願いします!テキサス州は、俺の故郷なんです!」 セウスは迷った。この2人を連れていき、下手に死なせるわけにもいかないが、人手が欲しいのも確か。テキサス州攻防戦のような事にはならないといいのだが。 「邪魔するんじゃねーぞ」 「はい!」 エレンとアランは、急いで軍服を着た。車に乗り、待機していた。 車は約20車で、その中には武器が揃っている。その武器とは、TCUが作り出した 【T-329】というものだ。その武器は、連射ができ、また、威力が強い。殺傷能力はずば抜けて高い。 車は動き始めた。1台の車に100人程度の人が乗っており、結構キツイ。 「おう、少年。戦場は初めてか?」 「は、はい。」 銃を持った男が、近ずいてきた。その男はキリアと呼ばれている。この隊の隊長らしい。歳は、30くらい? 「戦場でうろちょろすると、仲間に撃たれるから気をつけろよ?」 「はい。俺は今回は戦いません。避難指示などする為に来ました。そして俺は、テキサス州出身です。色々知ってます。聞きたい事あったら聞いてください。」 エレンはそう言い、座った。キリアは、関心したのか近くを離れなかった。それはそのはず試験内容が変わり、死ぬかもしれないというのに怯えなかったエレンとアラン。この豪傑男が気に入らないわけが無い。恐らく二人共、大切な何かがあるんだなと直感で感じた。 1時間後。テキサス州に着いた。 みんな車から降り、盾を持って走っていった。 「エレン、アラン!お前らはここの者だよな!」 「はい!」 2人はセウスの前に並んだ。 「お前らなら分かるだろ?一昨年のテキサス州攻防戦を。その時何があったか思い出して避難を手伝ってこい!解散!」 2人は走って街の人間を助けに行った。
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