戦後

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戦後

いつもこうだった。見てきたはずだった。自分で、虫を殺したり、生き物が生き物を殺してるとこなんて、何回も見てきた。命なんて、そんな考えてなかった。これが、“当たり前”だって思ってたから。だけど、現実は違かった。思ってたよりも残酷で、醜い争いだった。血が飛び散る戦場で、俺が出来ることなんてなかった。殺すことしか脳がなかった。だって、何もかも知らなかったんだから。 「そう言えば、ヒューストンはどうなったんだ?」 「あぁ、あそこの守りが思った以上に弱くて、すんなり奪還出来たらしい。それに。援軍が駆けつけたから簡単に終わらせる事が出来たんだとよ」 最初に聞いた時、絶望のような空気だったのを覚えてる。だけど実際はすんなり奪還でき、相手を追い出す事も出来た。犠牲はあったけど。この戦争は、第2時テキサス州攻防戦と呼ばれるようになった。そしてそれが、エレンとアランの、初陣になったのだ。その戦いから三日後、避難してた人はみんな家に帰り、片付けなどをしていた。そして、その日、エレンとアランは、表彰され、訓練兵を通り越して、「5等兵士」という兵士となった。兵士には、階級が色々あり、候補生→訓練兵→一般兵士→5等兵士→4等兵士→3等兵士→2等兵士→1等兵士→隊長→団長→総長 というような階級だ。5等兵士は、作戦会議などにも参加でき、それにいざとなったら隊長の仕事もする事がある。発言権もあるが、効力はあまりない。 表彰するのは、訓練兵団長が、直筆で賞状を書き、それを与える。 「これより、第13期候補生、エレン・ウォーカー、加えて、アラン・イーグスを、5等兵士に任命す。今現在まで、候補生から5等兵士へと飛び級した奴は、なかった。お前らが変えたんだ。おめでとう!若き兵士よ。」 「頂戴致します。」 2人は賞状を貰った。だが、訓練兵団長の字は、少し汚かった。だけど、見れない訳じゃない。 【お前にはいつも困らされてきた、いつもいつも生意気な小僧で、俺をからかってきたよな】 【そ、そっか、でもね、エレン。死んだら許さないからね?私はあなたに死んで欲しくない。これはお父さんも同じだから。死ぬ気でやりなさい。そして、勝ってきなさい。運命に。】 まず1個目の夢は叶った。TCUに入る事。だけど、それで終わりじゃなかった。エレンはそれを、三日前に身にしみて感じた。 「エレン・ウォーカー、表に客が来てるぞ」 「僕に?」 エレンは、何か気になりながら、表に出た。すると、そこには1人の女の人が立っていた。いや、横に小さい女の子がいる。 「アグナ・ウォーカーさんの、息子さんですか……?」 「は、はい。」 何故父親の名前を知ってるのだろうか?エレンはその女に、色々疑問を抱いていた。そもそも、子供連れた女の人が来るなんて今までになかったから。 「まずは、これを。」 エレンは、女の人の手から、紙を受け取った。それは何かをくるめており、中には、キーホルダーがあった。このキーホルダーは、梟を気で作ったやつで、下手くそだが、エレンが父親に作ってあげたものである。 「あ、落し物ですね?あ、ありがとうございます。父親に…」 「アグナ・ウォーカーは、三日前のあの戦場で、私たちをかばい!命を落としました!」 突然、意味わからない言葉がエレンの頭に風のように飛んできた。エレンは、少し戸惑っていた。それは本当か嘘か。あの女の人のおかしい所を探し出したが、何もかも、辻褄が合うんだ。ここに来たこと。父親の名前を知ってること。キーホルダーを持ってたこと。何もかも。 「それは、本当のことですか……?」 「うっ……は、はい…」 女の人は、今でも泣きそうだった。でも、どんな死に様か、エレンには想像が着いた。 きっとその子を庇ったんだろう。そして、TCUの俺を自慢したのだろうな。そして、死ぬってわかったら、このキーホルダーをこの女の人に預けて、エレンに渡すように言った。そうであろう。 「ったく、何にも変わってねぇな、親父は。」 エレンは、少し笑顔になっていたが、泣いてもいた。正義感の強い男だ。こんな死に方、 「父さんのくせに、死に方だけはかっこいいじゃねぇか、、、」 エレンは、そう言った後、大きな声で泣き叫んだ。だけど、その泣き声は、憎しみではなく、嬉し泣きだった。いい意味での嬉し泣き。 エレンは、その女の人とお別れし、本部へ入っていった。エレンは暫く部屋のベッドに篭っていた。次の日になって、エレンは部屋から出ていた。 「みんなおはよう!食べるよ!」 「あんなことがあっても、元気にいられるエレンは、強いよ。」 アランは、そうエレンに伝えた。エレンは、目に光が灯したように輝いてきた。そして、エレンは、復讐の目をしていた 「父さんの分も、頑張りゃいいんだろ?」 「おう!」 2人で強くなるそう誓った。
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