blueprint

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──── ── 「うわぁ、あたし絶対に嫌。もう触られたくない」 沙保は、鳥肌でも立ったかのように、腕をクロスしてさする。 「ええ、なんでぇ。私、ずっとくっついてたい。もう、物凄い好き」 真由は堂々と言った。 二人は夫に対する感情を各々に表現している。 「……」 「「紗季 は?」」 両極端な二人がどっち派か真剣な目を向ける 「いや、何か……微妙。久しぶりに二人になったら、困った。何喋っていいか」 「ああ、そこか」 どこ? 「喋らなくていいよ、くっつくの。折角の二人~」 真由はまだ子どもが小さいので、子どもが寝た後しか二人の時間がないと不満を漏らした。 「私、出掛けるわ。ヤダヤダ」 沙保は、あんなに熱烈に追いかけてた旦那さんと産後こんな感じだ。だけど、二人目は欲しいという矛盾に悩んでた。 「なによー、二人とも、旦那さんイケメンなのに!」 真由がそう言った。 「だってさぁ。つもり積もって、不満しかないわ」 そう、出産後の夫の行動でその後は大きく変わる。 「あ、これ、いいよ」 真由が、勿体ぶってそう言った。 「どれ?」 「唐突に聞くの」 「なんて?」 「必ず、二人の時ね」 「だから、何よ」 「“私のこと、好き?”」 「はい、無理」 「……私も」 「無理でしょ? 向こうも無理なんだよ。だからこそ、打破出来る。言えたら、何かが変わる」 「何言ってんだって言われるわ」 「そこじゃ無いのよ。向こうもね、動揺するでしょ。それが、狙い」 「あー、そう」 「へー、そう」 「だいたいね、夫婦なんて、エッチしなけりゃ、男と女にならないでしょ?」 「そこくらいってこと?」 「そ、説明しづらいんだけどね、何となく上手くいくのよ。肌のコミュニケーションがあると」 無いわけじゃ、無いんだけどな。でも、改めてってなると……考えただけで、緊張するわ。どうして自分の夫にわざわざ緊張しなきゃなんないの。 試してみる気は、更々ない。私の事好き?なんて、恋人時代でも聞いた事ないわ。 ……あ、違う、聞かなくても分かった。あの頃は。
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