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緊張しない代わりに、ときめきがなくなり
新鮮さの代わりに、安心感が生まれた。
そして、いつしか……家族になった。 そして、いつしか……違う距離感が生まれた。変な緊張。知ってるのに知らない。近いのに遠い。夫婦という距離感を見失った。
今一度、向き合う、その時にいて、お互いに言葉が出ない。
「悪い、何か変だな」
「うん……何これ」
「えーと……」
「二人……だね」
「何時に帰ってくるんだ？ あいつらは。ー」
「唯が15時過ぎ……尚はもうちょっと遅い」
「ふぅん」
「ねぇ、今、モテ期来てるでしょ」
「あ、は？ 何だ？」
「いいわね、男は」
「何がだよ」
「まだまだ現役感出せて」
「……出してない」
「出てる」
「へぇ」
よく分からない、話で繋ぐ。まだ、二人の時間は続く。平日の午前中。昼食まで、時間もある。録りためたドラマでも見るか、本でも読むか……買い物でも……100均でも行こうか。足りない物、あったかな。
部屋を見渡したところで潰せたのは10秒ほど。
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