blueprint

9/14
前へ
/15ページ
次へ
──── 「やっぱり女は褒めてやらないとね」 自信たっぷりにそう言った男は、結婚しても常にアンテナを張り巡らせては、女を口説いてる。結婚しててもいいなんていう女の多い事にも驚く。こいつは“外に女を求める男” もう一人の男は、それを呆れたように見る。 「褒めてるけど、俺も。褒めなきゃってのじゃなくて……うん、よくやってくれてるし」 こっちは愛妻家。子どものことも溺愛してる。こいつは“妻の事を女とみる男”その妻を女だとみれなくなった男と、未だに妻を女とみる男のバトルを、酒を飲みながら聞いていた。 ただ、“外に女”を求めると……リスクが凄い。 「勿体ねぇよな、一条は。寄ってきてるってのに、まぁ、お前の奥さん、色気あるもんな」 「……いや……そうかな」 そうか、俺が女として見なかったとしても 紗季を女として見る奴は出てくるかもしれないわけで ……スカートをはいて髪を緩く纏める紗季の姿が浮かんだ。 そうか……女……だもんな。綺麗な方だと、思う。年を重ねて以前とは違う魅力が出てきた。 「会話……何喋っていいか、分かんねぇ」 そう言った俺に 「だから、褒める」 「そして、触れる」 2人からの端的なアドバイス。うーん……ハードルはなかなか高い。何で自分の妻に緊張しなきゃなんないんだ。今更。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

440人が本棚に入れています
本棚に追加