第三話 ローズ屋敷

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 トントン失礼します。  おはようございます、目が覚めましたか?と言いながらカーテンを開け始めた、広い部屋だな、うちの何倍あるんだろう。 トイレに行って、風呂に入った、部屋の中にトイレと風呂場がある、凄い。 タオルはあるが着替えが無い。 「あのー、着替えは」 「そのままでどうぞ」 体は拭いたけど。  クラウドが、大きなタオルを頭からかぶせると、頭を拭きはじめた。 気持ちいいな。 「失礼ですが、これはいりますか?」 女性用のコルセット、恥ずかしくて奪った。 「こ、腰が悪くて、無いと座ってられないんです」 「ご自分で作られたんですか?」 「ねえちゃんがもらってきたのを直しました」 「そうですね、腰の細い御夫人ならいいけど、男性なら骨があたっていたかったから切って丸めたんですね、これ一枚だけですか?」 頷いた。 「ではお付けいたしましょう」 「いい、自分でするから」 「ですが、代わりの物を作るには見せていただかないと」 「いりません、俺はここにはいたくないから」 「わかりました、ですが、本日は、これを着ていただきます、宜しいですね」  綺麗な服が用意されていた、見たこともないレースがいっぱい付いたもの。これ着るの? 僕は背中を向いて、コルセットを撒き始めた、本当はひもは後ろにあって、姉ちゃんのをたまに手伝うけど、僕はそれができないから、前で紐を結ぶんだ、だから短くして、腰の骨にあたる部分を丸くして布をつけてある、人になんか見せたことがないから恥ずかしかった。 隣では、姉ちゃんも同じ目にあっていた。 凄いドレスで重いと言っていた。  なかなか二人きりになれないでいた、いろんな人がのぞきに来ては挨拶して、隠れるようにしてみる人ばかりだから、いちいち呼んで、なんかな、昨日の事があるから、いやだな、誰も歓迎なんかしてないのに。それに、エッグが起きない。 「疲れてるのかな」 「もしかして、貴方の魔法のせいかもよ」 「それならいいけど」 どうしよう、昨日の話もしたいし。 「あのさ、クラウドさんはいくつ?」 年は二十五だという。 「死ぬことを考えたことはない?」  二十歳のころはあったそうだ、でもそれを超えた時、悔いのないように生きようと思ったそうだ。他の人たちはいくつか聞くと、みんな二十五以下一番年上のコック、料理長さんは同じ年だという。  不思議だ、ここには二十歳以上の人ばかりいる、どうしてだろう?
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