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姉ちゃんの部屋でひとしきり泣いた。
エッグは、怒りで魔法を使えば、みんなが不幸になると言った。
姉ちゃんには、とてもこの世のものじゃない顔はほかの人のようで、それは恐ろしい顔をしていたそうだ。
もう使わないと約束した。
昼食を部屋で取りますかとはいってきたクラウドが言った。
姉ちゃんはお願いしますといったけど、俺は毒が入っているかも知れないから食うなと言った。
わかったわという姉ちゃんのそばで俺は眠ってしまった。
今度は、深く、闇にでも落ちていくほど深く眠ったんだ。
たのしそうな笑い声に目が覚めた。
「やっと、起きた」
「エッグ、おはよう」
「もう夕方よね」
という姉の声にホッとした。
姉は、エッグを紹介もしてくれないで寝てしまってと言った。そういや初めてか、僕はなんかずっと前から彼女を知っているような気でいた。
食事は、手が付けられていなかった、よかった。
「ふふふ」
「なんだよ」
「だっていつも朝ご飯を食べたら御昼なんかそんなに食べた事なんかないのに」
そう言われればそうだ、でもなこんなにいっぱい、もったいないよな。
「大丈夫よ、毒が入ってなきゃ、誰かが食べるわ」
腰に手を当て偉そうに言うエッグ。なんかエッグに救われた感じがした。
ノックがした。
「晩餐までにお時間がございます、おや、起きられたんですね」
「すみません、今起きて、手を付けていないんです」
「構いませんよ、お二人ともお疲れでしょうから、ただ、どうしてもお会いしていただきたいお客様がいらっしゃるのですが」
またあの嫌味な男か?
「旦那様、大丈夫です、シュトラウド伯爵、彼は、王家についてよく御存じの方でございます、それと」
それと?
「その時に、数名の者とお会いしていただきたく存じ上げます」
「変なやつ?」
「ポト!」
エッグは、テーブルの上を走ってクラウドのそばまで行った。
「いいよ、私に関係あるんだよね」
クラウドは腰を折り顔を寄せた。
「そうです、お願いできますね」
「うん」
では、お支度が出来ましたら、応接室、食堂の隣の部屋へお願いいたします。
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