51人が本棚に入れています
本棚に追加
ちょっと早い時間に食事をした、飛び回る三匹に、クラウドは反応してたけど、後の人には見えないみたいだ。給仕は私がするとほかの人を下げた。
だって、僕たちには見えるけど、見えない人にふわふわとひとりでに何かが動いたり、飛び回っていたらビックリするもの。
エッグは俺の食べ物に興味津々、スプーンに少しだけあげた。指で舐めると嫌そうな顔をしてた。
クラウドが見えるのは、王家の人だから?
「それは、彼に聞かれたらいかがですかな」
「クラウド、君にはなんで見えるんだ?」
「それは…」
「いいじゃないか、話して差し上げたら」
「では食事が終わりましたら」
サラを片付けデザートが出てきた。
「逃げんなよ」
わかってますとむすっとした返事がかえって来た。
エッグは、また頂戴と言ってきた、甘いものは好きなようだ、他の妖精も集まってきて、僕のに手を伸ばしてきた。ちょっとずつ切ってあげたケーキ、だいぶ気に入ったのか僕のを食べ始めたんだ。
「これ、ぼくのー」
姉さんとシュトラウドさんは大笑いなさっていた。
お酒と僕たちはお茶を飲みながら、シュトラウドさんには泊まっていただくことにしたんだ、話を聞くために。それともしものことを考えてだ、夜道に賊にでもあわれたらかなわないから。
「どうぞ」
クラウドに姉さんはお酒を渡した、彼は椅子に座るとずっとうつむいて、床を見ていた。
「ありがとうございます、俺の家系は、代々このローズ家に仕える執事です。そして、旦那様の力を支える唯一の物だと聞いていました」
曽祖父の時代、王妃はローズ家の跡取り、おじい様のお母様に当たります。王妃に子供が出来なくて、王妃の叔父である、ギュター家に相談に行った王妃は、その帰り何者かによって殺害されてしまいました。
でも、王妃は身ごもっていたんです。付き人だった先祖は、その子を連れて帰りました、でも王は、それを受け入れなかったのです。
その時、私の曾祖母も同じころ産気づき、二人の子を自分の子として育てたのです。
そして、その子達に、神が宿りました。
二人の子は妖精を見るようになったのです。
最初のコメントを投稿しよう!