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シュトラウド伯爵は、この先も応援してくれると言った。
まだ聞きたいことはいっぱいあったし、いろんなこともいっぱい聞いた。そして帰りは。
「そうか、初めてのところは何処に着くのかわからないんだな」
「はい、それに、疲れているときは、着地に失敗します」
と頭をかいた。
「そうか、でもどうだろうか、私が強く願えば、つくことはできないだろうか?」
「そうか、そういうこともあるんだ」
よし、やってみようということになり、ちゃんと送れたんだ、シュトラウドさんの御屋敷の人たちがびっくりしていた事、そして、彼の御屋敷の人は年老いた人が多かったことに僕は驚いたんだ。
そして、僕はかわいがられた、彼は結婚しなかったから、小さな友人として屋敷勤めの人たちに気に入られたんだ。帰りには焼きたてのケーキもいただいてきちゃった。
そして、次の日から、僕は早起きをして、庭に出たんだ。
「これはダメだ、ごめんな、他の子をダメにしちゃうからぬかせてな」
“よいよい、ありがとう、次の子たちを頼むよ”
「うん、長い間ご苦労様でした」
黙々と作業した、途中から姉ちゃんも手伝ってくれた。僕たちは綺麗な服はいらないと、爺ちゃんちで着ていた物を着て帽子をかぶり作業したんだ。
「ポト?誰と話しているの?」
「え?バラだけど?」
「あなたこの前も何かと話していたわよね」
実はエッグの殻が割れた日から、植物や動物、虫なんかの声が聞こえるようになったことを話した。
「まあまるで本の中のお話みたい」
それじゃあ姉さんにも聞こえるようになるかもね?そうだと嬉しいわという姉さん、妖精たちはただ俺たちの周りで遊んでいるだけのように思えた。
「こちらです」
温室があった、手つかずの植物は腐り、水は濁っていた。
「スゲーな」
「くさーい」
「はきそう」
「掃除終るまで来ない」
三匹はエッグを連れて外に行ってしまった。
全てを焼いて綺麗にしなければ。
一日目は掃除と片付け、それだけで終わってしまった。
二日目、朝起きるとズキッとした痛みが腰に走った。
だ、ダメだ。
僕は、ベッドの天蓋にぶら下がった。
「おは、何をなさってるんですか?」
「こ、腰が痛くて」
それで治るのかと言われたが、痛みは一時消える。
今まではどうしていたのか聞かれ楡の木にぶら下がっていたのと、姉ちゃんの作ってくれた薬を塗っていたと答えた。
するとクラウドの表情が変わった。
「マーサ様は医者ですか?」
ち、違うけど、薬は作れるのもあるよ。
この国は温暖な土地柄だから病気は少ないらしい、先生もいなければ、薬は僕たちの国から買っているのだという。
「姉ちゃんの恋人がいればな」
〈恋人?〉クラウドは支度をしながら聞いていた。
「お医者さんなんだー、でも、姉ちゃんは釣り合わないからって言っててさー、でもあと三年で死ぬなら、好きだって言うって言ってたんだけど…」
「こっちに来てしまわれた」
「そうなんだよなー」
父上である院長先生がとてもいい人で、金が無い俺たちにもよくしてくれた。
院長先生は、大人になると死ぬ病の研究もしていた。
そして、僕は着替えをすると外へ飛び出した。
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