第二章 異変

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「な、なんで……っ!!」 声が勝手に裏返った。 なぜだ。せっかく希望が見えたと思ったのに。 ほころびかけた顔の筋肉が再び強張った。 顔が引きつり、声も大きくなっていく優介とは対称的に珠美は全くの無表情だ。 「なんでって言われても、コントロールの感覚っていうのは一人一人違うものなんだよ。だから私の感覚をを下手に伝えても君にとっては逆効果だよ」 そんな。 「それに、今の君の状態じゃたぶん無理」 そんな。 「話はこれくらいかな。今日のところはもう帰りなよ。家まで送ってってあげる。私がいればそこらへんの霊たちは寄ってこれないから」 また聞きたいことがあったらおいで。 黙り込んでしまった優介に珠美はそう言った。 彼女の言ったとおり、自宅までの帰り道では何かを視ることもなく、何かが起こることもなかった。
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