第十八章 鬼っ子

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そして。 あっという間のことだった。 異変を感じてほんの数秒後。 爆弾が投げ込まれたのかと思うような、バリバリという音。 地下室を支えていた梁が折れ、天井が落ちてくるのがやけにゆっくりに感じられた。 「……たまちゃんっ!」 最後に聞こえたのは、彼女の名を叫ぶ自分の声。 そして、自分の身体が押しつぶされる、生々しい音だった。
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