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もう二度と出会うことはないだろう。
来未の魂は疲弊しきっている。
剥き出しの魂のままでいて、あの異形の一部にならなかったことが奇跡だと思えるほどに。
磨耗した魂は、癒しの眠りにつかなければならない。
輪廻の輪を巡れば、いずれ修復されるだろうが……擦り切れたこの子の魂が修復されるのには長い時間がかかる。
狭間の世界をさ迷った時間の何倍も、それはかかるだろう。
きっと、今生の別れになる。
でももう……それしか道はないのだ。
「……来未が成長したら、どんな子に、なったのかな。食べ物は何が好きになったのかな。どんなことで怒るんだろう。どんな声で笑うの?」
無意識のうちに言葉があふれ出した。
本来なら一緒に成長するうちに全て分かっていたこと。
生きていればごく当たり前のことのはずなのに。
そのどれも、珠美は知らない。
これからも知ることはない。
この子が相楽来未としていられた時間はたった一瞬のことで。
「ごめん……ね……っ」
最期にしてあげられることがこの子を本当に死なせてあげることだなんて。
こんな残酷なことはない。
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