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「…………っんで」
覚悟は決めたはずだったのに。
「っ……おかしぃ、なぁ……おれ……未練たらたらみたいだ……」
今になって後悔が押し寄せる。
ただ一緒にいたかった。
生きていてほしい。
笑っていてほしい。
そこに、自分も一緒にいたかった。
彼女の隣にいられたら。
ほんの小さな願いだったはずなのに、それはどんどん大きくなる。
やけつくような感情を優介は初めて味わった。
ずきずきと胸が痛んで、強くそこを押さえるけれど、あいにく優介の心臓はもう動いていない。
なら、なぜこんなにも痛いのだろう。
冷たい体の、一体どこがこんなに痛みを訴えているのだろう。
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