第五章 痣

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第五章 痣

キーンコーンカーンコーン…… 「………ん?」 チャイムの音が聞こえた気がして、優介は眼を開けた。 どうやら眠っていたようだ。 白いシーツのベッドに横たわっていた体を起こす。 「あれ……?」 まだ頭が寝ぼけているようで、ここがどこなのかがいまいち分からない。 「やっと起きた?」 ぼんやりベッドの周りを囲む白いカーテンを見ていると突然そのカーテンがシャッと音を立てて開けられた。 「わっ!」 ベッドの上で飛び上がった優介を見つめているのは、珠美だった。 「たまちゃん……。びっくりさせないでよ」 「起きるの待っててあげたのに、そんなこというの?」 「え」 形のいい眉を潜めて言う珠美を優介はまじまじと見つめた。 制服を着ている……ということはここは……。 「学校……?」 「……寝ぼけてるみたいだね」 珠美は呆れた表情でため息をついた。 「ここは保健室だよ。……ちなみに今は放課後」 「えっ!?」 保健室、というところまでは良かった。 だが放課後? 「ほ、放課後っ!?放課後って、ええっ!」 寝ぼけていた頭が電気ショックでも食らったかのように一気にクリアになった。 ベッドの上を這い、カーテンを全開にして壁に掛けられた時計を見れば、すでに四時半を回っていた。 学校が終わるのがいつも大体三時半。 それにも気づかず自分は寝ていたのか。 全てを思い出した優介は顔面蒼白になった。
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