第九章 肉付きの面

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第九章 肉付きの面

『from 相楽珠美』 ――――――――――――――― 悪いんだけど今日は用事があるか ら、行けないや。 ――――――――――――――― 簡潔なその一文を見て、優介は携帯電話を閉じた。 ため息が思わず漏れる。 「どうだ?」 「……やっぱだめだった」 「そっか……」 肩を落とした優介に返事を返したのは、ドリンクのストローをがじがじと齧る友哉。 夏休みが始まって一週間目の今日。 じりじりと肌を刺すような夏の日差しの中、優介と友哉は駅前のファーストフード店で涼んでいた。 「やっぱ、避けられてる気がする……」 「いやいや、まだ分かんないだろ」 ほんとに用事があったのかもしれないじゃん? ポテトに手を伸ばす友哉の慰めもほとんど耳には入らなかった。 奇声を上げながら優介はテーブルに突っ伏した。 何故こんなことになっているのか。 話は約一週間前に遡る。
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