第十六章 魂触

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第十六章 魂触

「あれは……そう、今からちょうど十年前………」 一度深く息を吸った珠美は遠くを見るような目をしながら語り始めた。 それは、圭の目が覚めてから一週間ほど経った日曜日のこと。 優介は珠美の自宅に呼び出された。 話したいことがある、そう言われて。 珠美とまともに顔を会わせるのは病院で会った日以来だった。 この一週間、珠美は学校には顔を出していなかった。
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