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最終章 再会
ああ。
何だか、身体中が痛い。
ふと思ったのはそれだけだった。
何が起きているのか、よく分からない。
ただぼんやりとした意識の中、周囲が慌ただしく動いていたり、聞き覚えのある声が泣いているのが聞こえたり。
ばたばたしていて、うるさいと思ったことはよく覚えている。
途切れ途切れの意識がはっきりしてきたのはそれからしばらく経ってから。
恐らく、ゆうに三日はあっただろう。
「紗英……?」
「……お兄ちゃんっ?」
妹に顔を覗き込まれて、驚いて名前を呼んだら大声で叫ばれた。
そのまま妹はナースコールを押しまくり。
優介のもとに医師と看護師がやってきた。
指の本数を答えさせられたり、意識の確認やらをされているうちに、身体中を走る激痛に優介は気がついた。
「~~っ」
ちょっと、待て。
痛い。
痛い。
痛い。
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