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がぽがぽ、悠太のスニーカーは大きくて、歩きにくかった。でも悠太は裸足なんだ。私なんかよりもっと足、痛いだろうな。それも怒ってる原因なのかな。
ね、わかんないよ悠太、何か言ってくれなくちゃ。少し前を歩く悠太の背中を見た。なんでこうなっちゃったんだろう。今日は隣を歩くことさえできない。
悠太、悠太、ねえ、私のこと、嫌いになった?悠太…
「もう…やだぁ…」
私は歩くのをやめた。ぐすっ、と鼻をすすってはじめて、ああ私泣いてるんだと気付いた。
「真尋!?」
悠太がぎょっとして私を振り返り、泣いてるのを見て慌てた。
「な、なんだよ、足痛かった?」
「だって―…悠太が冷たい―…」
悠太はわけがわからないようで、柄にもなくオロオロとしている。でも私には、うまく説明できるほど余裕がなかった。いったん泣いてしまうと、なんだかもう止まらなかったのだ。
「だって悠太全然話してくれないし、全然笑ってくれないし、ねえ、私のこと嫌いになった?鼻緒だめにしたから?浴衣の帯なんか気にしてたから?かき氷落としたから?だから怒ってるの?」
「…ちげーよ!」
いきなりぐいっ、と、悠太に力強く引っ張られた。反動で二人とも、その場に倒れるように、座り込む。突然のことにびっくりして、思わず涙がひっこんだ。いま、どうやら私は悠太の腕の中らしい。顔が、すぐ近くにあった。
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