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護衛の男の話を聞くに従って、段々と私とジーク兄上の顔が痙攣のようにヒクヒクとしだす。
王子達が大道芸を見ていた場所からそう遠くはなく、聞きまわった配置では大道芸人達の小さな馬車が数台止まっていた所。
そして石畳の道には、蓋を上げた時につけられたとみられる真新しい傷。
もうその全てが、馬車ではなく地下水路を使ったと物語っていた。
私が、その時あいつは何か言っていたかと聞くと・・・
言いにくそうにジャスミンの怒りの叫びを代理で言う護衛の男。
「此処の初動捜査を指揮した大バカ者は誰よーーーっ!!!」
マジに穴があったら入りたかった。
初動捜査の指揮をしたのは、間違いなく誘拐直後そこに居た・・・・
ローラン兄上&マーク兄上。
あの現場に居たのだから最初の指揮は兄上がやったに決まっている。
何故、そこに気づかなかったのか……。
「これは、疑うべき人間を間違った……だな、、、」
そうポツリと呟いて、ジーク兄上は頭痛がしだしたのか米神を揉んでいた。
目の前のハートマンや護衛の男が、その言葉の意味が分からず私を見る。
王族の恥を言う訳にもいかず、首を振って訳を聞くなとゼスチャーして脱力した私。
だが続きの話で、また大バカ者達の失態を聞く事になるのだった。
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