34人が本棚に入れています
本棚に追加
『ジーク兄上!ちょっとよろしいですか!』
「何だ。出来れば声を少し小さめで頼む」
スピスピ寝息を立ててる幼女に気を遣う兄上。
『ジャスミン殿が気にしているのですが、その子、目が覚めたら泣くのではないかと、、、』
「!」
奇襲をかけられても動じないと言われた戦場の鬼神が、今動揺を隠せないでいた。
その動揺が伝わったのか、身じろぐ幼女。
兄上は勿論の事、私とジャスミンもギョッとする。
そんな時、ヒューズが老女を労わりながらこちらに来た。
そして、こう言った老女。
「今日はこの子と一緒に寝てもいいかしら。母代わりにはならないでも、曾孫を可愛がるおばあちゃんにはなれると思うの」
兄上から幼女を抜き取って、慣れた手つきで自分の胸に抱いた老女。
幼女の背中をポンポン叩きながら、優しい歌を歌っている。
その歌声はロリだけでなくそこにいた私達の心まで落ち着かせた。
こんな小さな老人がジーク兄上よりも大きく頼もしい人間に見えた。
ヒューズも同じ事を思っているのか、老女を見る目が何か誇らしいものでも見てるようだった。
最初のコメントを投稿しよう!