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その酒の肴にされている3人の王子達はというと・・・・
ジークフリートの居室にいた。
「、、、。」
「、、、。」
『---。』
酒を飲んで上機嫌の兄王子達と違い、こちらは濃いめの紅茶を只々無言で飲んでいる状態である。
お互いを慰める言葉も作戦も何も浮かばない。
特に屍になった末の弟にかける言葉はなかった。
まさかの玉あり。
末の弟からそれを聞かされた時、自分達の事のようにショックを受けた2人。
気をしっかり持つため、侍従にこの濃いめの紅茶を用意してもらったぐらいだ。それから小一時間は過ぎていると思うが、未だ、誰も声を出さない。
すると、その小さい物音でも拾える静寂の中、小さく吐いた息が聞こえた。
そして、年長者がこの沈黙を破るべく立ち上がってくれた。
「……本来…私達の所まで乙女が巡って来るとは思ってなかったんだ……」
耳だけを傾けた2人はその先を期待して待つ。
「皆、楽になろう……」
どうやら立ち上がったのではなく、撤退だった。
私は脱力した。
横のヒューズは暫く考えた後、こう話し出す。
「……そうですね。私は静かに研究ができればそれだけで幸せです。あのご老人は悪い人ではなさそうなので、取り合えず1ヶ月間茶飲み友達としてお付き合いします」
「そうだな。人を包み込むような暖かい人のようだ。私もあの幼女と一緒にそのお茶を付き合わせてくれ!」
「喜んで!」
良い方向に纏まりかけた2人に疑問詞で入る私。
『で、私はどうしましょうか?』
2人して情けない顔で私を見る。
自分達は解決しても、兄達と違いバンバンアピールしていた私は解決していない。
2人が悩んで出した私への答えは・・・
清い関係だった。
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