各々の作戦会議

5/5
34人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
その酒の肴にされている3人の王子達はというと・・・・ ジークフリートの居室にいた。 「、、、。」 「、、、。」 『---。』 酒を飲んで上機嫌の兄王子達と違い、こちらは濃いめの紅茶(カフェイン)を只々無言で飲んでいる状態である。 お互いを慰める言葉も作戦も何も浮かばない。 特に屍になった末の弟にかける言葉はなかった。 まさかの玉あり()。 末の弟からそれを聞かされた時、自分達の事のようにショックを受けた2人。 気をしっかり持つため、侍従にこの濃いめの紅茶を用意してもらったぐらいだ。それから小一時間は過ぎていると思うが、未だ、誰も声を出さない。 すると、その小さい物音でも拾える静寂の中、小さく吐いた息が聞こえた。 そして、年長者がこの沈黙を破るべく立ち上がってくれた。 「……本来…私達の所まで乙女が巡って来るとは思ってなかったんだ……」 耳だけを傾けた2人はその先を期待して待つ。 「皆、楽になろう……」 どうやら立ち上がったのではなく、撤退だった。 私は脱力した。 横のヒューズは暫く考えた後、こう話し出す。 「……そうですね。私は静かに研究ができればそれだけで幸せです。あのご老人は悪い人ではなさそうなので、取り合えず1ヶ月間茶飲み友達としてお付き合いします」 「そうだな。人を包み込むような暖かい人のようだ。私もあの幼女と一緒にそのお茶を付き合わせてくれ!」 「喜んで!」 良い方向に纏まりかけた2人に疑問詞で入る私。 『で、私はどうしましょうか?』 2人して情けない顔で私を見る。 自分達は解決しても、兄達と違いバンバンアピールしていた私は解決していない。 2人が悩んで出した私への答えは・・・ 清い関係(・・・・)だった。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!