色々教えてやる。覚えろ

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色々教えてやる。覚えろ

あれから、街で人気ナンバーワンと言われてる食堂に来ていた。 「お昼前だというのに、結構、混んでいるんだな」 ジーク兄上が、ちさとを気にしながらそう言うと・・・ 「この程度、まだましな方です。昼はこれ以上と聞きます」 そう言ったのは、もう一人の護衛のケインだ。この男も兄上の部下で、兄上の次に剣の達人である。 暫くすると料理がやって来る。それをちさとに食べやすいように小分けしていくジャスミン。 お利口さんにフォークを持つちさとに、ジーク兄上から手が伸びた。 「フォークの持ち方はこうだ」 そう言って、変な持ち方をしていたフォークを正した。 目を瞬かせるちさと。 そんなちさとに兄上がまた男前にこう言った。 「色々教えてやる。覚えろ」 そう言われて、正しく持ったフォークで皆の食べ方をまねるちさと。 「それでいい」 兄上が優しくちさとの頭を撫でた。 撫でられた頭を不思議そうに自分で触るちさと。 どうやら、撫でられることに慣れていないようだ。 それが分かって、また胸が締め付けられた。
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