色々教えてやる。覚えろ

5/5
前へ
/48ページ
次へ
何故、お前が答える。そして、何故対抗した。 ルド兄上達が居なくなってから、店主にお礼を言われてるジャスミン。 確かにこの場を助けたのはジャスミンだ。 そして、私を助けたようで窮地に追い込んだのもジャスミンだ。 そんな食堂の英雄に言わずにはいられない。 『おい、どうするんだよ~~!』 頭を押さえて私がそう言ったら、ニッと笑ってこう言った。 「色々教えてやる。覚えろ」 何処かで聞いたような男前なセリフである。 そして私の頭を優しく撫でたジャスミン。 ん?んん?んんん!? ちさとみたいに思わず頭を傾げた私。 私は撫でられる事に慣れていないわけではない。小さい時は沢山撫でられたし、褒められもした。ただ、この年で撫でられるような事がなかっただけだ…… だが、このフワフワした不思議な感じは何だろうか……? しかも、私にでも出来るんじゃないかと思ってしまうこの自信は何だ?! 優しく見つめるジャスミンに少し照れくさくなって、目を逸らしたアラン。 そんな甘い空気を邪魔しないように…ではなく、自分達がその甘さにのまれないよう1歩後ろに避難したクリス達。 ジークフリートだけは、弟の為に1歩も下がらず頑張った。 「~~~!!(清い関係(・・・・)清い関係(・・・・)~!清い関係(・・・・)~~っ!!)」 その心の叫びは、神にも祈る思いだった言っておこう。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加