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「光の環が解かれます。王子様ご準備を!」
神官長にそう言われて、王子全員が前に出る。
光の輪がふっと消え、ぎゅうぎゅうとひしめきあってた星の乙女達は、桶の箍が外れたようにバラバラと倒れ伏した。
困惑しながら辺りを見回す星の乙女達。そして、傍に居た私達に視線を止めた。
一部を除き全員が頬を染める。
それを見て王子全員が、手ごたえありと確信した。
神官長が予定通り、こう話しかける。
「ご安心ください。我々は貴女様達を害する者ではございません。歓待いたします。此処は神殿ゆえ、寛げる王城にて今の状況をご説明差し上げます。王子様、星の乙女のエスコートをお願いいたします」
ファーストコンタクトはまず第一王子からだ。
「ラングレー国へようこそ、星の乙女よ。私はこの国の第一王子ルドルフ・パヴロウです」
そう言って手前で倒れ伏してるそれ等を無視して、奥の女性に手を差し出す第一王子。
そこにいた全員が心で突っ込んだのは言うまでもない。
"三十路のお前が十代かよ!"
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