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馬車内で、ジャスミンにガルドラの説明をする。
元が傭兵やバイキングの集まりが国になったものである事。
今でもお金さえ積めば人を攫うし、商船や荷馬車を襲って物資を横取りするという国組織で犯罪をしている国だと説明した。
『……そういう訳だ。ジャスミンはミシェル商会についたら、この馬車で王城に戻れ』
「何で?」
『お前、聞いていなかったのか?危ないからに決まってるだろう』
「じゃ、あんたも王城に帰るのよね?危なければ前に出るなって言われてたもんね」
『私は……まだ商人との繋ぎなどやる事がある。帰るのは、お前だけだ』
「じゃ、嫌よ」
『お前は~~、、、』
ぷいっとそっぽを向いて拒否するジャスミンに、私がイライラしてると・・・
「ジャスミン殿。危ないと思ったらアラン王子には下がって頂きます。なので、どうかご安心を」
横に居たケインが説得の為、ジャスミンにそう言ってくれる。
だが、このバカは・・・
「じゃ、それまで私も居るわ。同じ事じゃない?」
全く言う事を聞かなかった。
『帰れ!』「帰らない!」の攻防が続き、ムキになって行く私。
『だ・め・だ!か・え・れっ!!』
「い・や・よ!か・え・ら・な・いぃーっ!!」
ハァ~と溜息をついて、もうバカでも意味が分かるように言ってやる。
『いいか、もしかしたら剣と剣の遣り合いになるんだ。お前は剣を握った事があるのか?』
「・・・・ない。けどっ」
『では、言い方を変えるぞ―――』
まだ言い返そうとするジャスミンに言葉を被せる。
『人が斬れるか?』
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