疑うべき人間を間違えた件

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疑うべき人間を間違えた件

「逃げた後か……」 悔しそうにそう呟いたジーク兄上。 私達がジーク兄上が来るのを待って突入したら、そこはもぬけの殻だった。 何か手掛かりがないか家の中を探す。 すると、外に居た騎士が私を呼びに来た。 すぐに家の外の出て見れば、さっき別れたミシェル・ハートマンがいた。 「アラン王子!」 私を見て慌てて飛んでくるハートマン。 見ればハートマンの後ろに例の護衛達がいるのが見えた。それでジャスミンに何かあったとすぐわかった。 『あいつに何かあったのか?!』 「貴方様の兄上共々(・・・・)行方不明でございます!」 思っていた答えと違った事で、もう一度ハートマンの言葉を反芻する。 そして・・・・ 「『・・・・・はぁぁっ??!』」 素っ頓狂な声が出た。 しかも、ジーク兄上共々ハモってしまうという間抜けさである。 「時間節約のため、ご説明は馬車内で致します。乗って頂けますか」 矢継ぎ早にそう言われ、私とジーク兄上、そしてハートマンと例の護衛の男1人が乗り込んで馬車は出立した。クリス達もその馬車の後ろに付く。 そして、馬車内で護衛の男から行方不明になる全容を聞かされた。
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