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その顔を怒りと取った護衛の男は、身を強張らせる。
全くもって、怒っていない。むしろ、此処に穴があったら2人してそこに入りたい心境である。
私達の様子を伺いながら続きを言う護衛の男。
その事実を知った所で、自分達はジャスミンにつけられた護衛。だから、持ち場を離れる訳にはいかない。どうするか悩んでいた自分達に、ジャスミンがこう言ったという。
「1人はこの事実を騎士に伝えに行く。どうせ、この付近で乙女を捜索してる騎士が1人や2人ぐらいは居るでしょ?で、後は此処で待機って事で。私達の馬車も荷が散乱してて暫くは動けないしね、、、」
3人悩んだ末、ジャスミンの案に従う事にした。
そして、護衛が1人去った後もジャスミンは捜索の手を休めなかった。
その周辺で屋台を構えてた人間に、大道芸人達の馬車や動物の位置を聞いて回り、その配置を紙につぶさに書いていったという。
「ふむふむ。この配置から行くと…まこちゃん達が観覧してたのは、あの場所ね。……ん?んんん?」
何か見つけ、突然走り出したジャスミン。
「やっぱり!此処よ!!」
護衛達がジャスミンの所に追いついて、此処よと言われた場所を見て見れば、そこは地下水路に降りる場所だったという。
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