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もう一度言おう。
此処ラングレー国の王族は皆美丈夫だと……。自分でいうのもなんだが、私も大変美丈夫だ。
そして目の前のそれは、兄上達が避けるぐらい………………超不細工だった。
この瞬間、私の代で美丈夫な遺伝子に超不細工の遺伝子が混じる事となった。
歴代の頑張りがもう一度スタート地点に戻ってしまうようだ。いや、スタート地点ならまだいいほうである。下手したら、マイナスになるかもしれない。
そう思ったら、さっきの心の涙が滝ぐらいになった。
仕方なく不細工に手を差しだした私。それを見て国王がこう叫んだ。
「フォールンの儀これにて終了である」
それを聞いて兄達が、星の乙女をエスコートしながら神殿を出て行くのが見えた。私も不細工をエスコートしながら歩き出す。
目の前を歩く私と同じ残り物をとった2人を見る。
第五王子のジークフリート兄上がロリを抱いて歩いていた。
どうやら、歩くスピードが違うため気を遣ったようだ。
この兄上は、24歳という若さで騎士団団長を務めている。他の兄達と違ってお飾りではなく数々の武功をあげての役職である。美丈夫な兄弟の中でも一番精悍な顔つきと強固な体を持っており、"戦場の鬼神"という二つ名まである。
そんな戦場の鬼神とまで言われた兄上がまさかの……………犯罪、、、。
そのアンバランスさに笑いが出た私。
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