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思わず私もしかめ面になる。
そんな私に不細工がこう言って来た。
「…………ねぇ、私達だけ自己紹介してないんだけど」
あっ、失敗した。
確かに余りのショックですっ飛ばしてた。国王も「フォールンの儀はこれにて終了である」といって普通にスルーしてた。
歩きながらではあるが慌てて自己紹介をする私。
『失礼しました。私は第七王子のアラン・パブロウです。アランとお呼びください。貴女のお名前を聞いてもよろしいですか?』
「……………私は…………………ジャスミンよ」
『……素敵な名だ。……花のような貴女にぴったりな名前ですね』
苦しい誉め言葉である。
しかも人間でもない植物のジャスミンに対して、罪悪感に苛まれた。
そんな私の心中も知らずに、不細工がまた不細工この上ないしかめ面になった。
心で呟く。
私にはこれ以上褒めるのは無理だと………
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